パパが遺した物語 (2015)

文字数 803文字

【魅力の演技陣】 2015/10/7



レジェンド、ベテラン、旬、そして新人、
多彩な役者たちが僕を愉しませてくれました。
先ずは新人の子役、カイリー・ロジャースちゃん、
泣顔すら愛くるしいのにしっかりとパパへの愛と傷を表現していました。
その愛と傷を内に秘めた屈折した少女の25年後を、
これまた見事にアマンダ・セイフライドさんが受け継いでいました。
父を演じたラッセル・クロウは、脳障害の痙攣演技に集中してくれました、
これは簡単なようで難しい。
以上は原題「Fathers & Dauters」ならではの魅力の父娘キャスティングです。

邦題の「パパが遺した物語」は「ママが遺したラブソング(2004)」とニアミスしていますが、
2作には関連性はないようですね。
父親の遺作が娘との交流をモチーフにしたものらしいのですが、詳細は明らかにされず、
名作だ(ピュリッツァー賞作品でもある)という説明のみでした。
また本作には、ミステリアスな要素は一切なく、
両親の死による少女の心の陰をストレートに描いています。
つまるところ、父と娘の深い愛情、叔母との親権争い、
父の病気と死という過去のエピソードと、
25年後の娘の恋愛エピソードが、時を超えて交互に描かれるストーリーです。

現在の娘が優秀な心理カウンセラーとして同じ境遇の少女を救いたいと願い、
その反面自分自身は両親の死から今も逃れられないという矛盾も観どころかもしれません。
魅力のキャスティングのオマケです。
人を傷つける習性のある叔母にダイアン・クルーガー、
あの美しいダイアンが老人メイク(70歳くらい)するのは必見です。
そしてジェーン・フォンダ、
うっかりと見逃してしまいそうなナチュラルな登場にお気を付けください。
「アニー」のクヮヴェンジャネ・ウォレスが無言の演技で魅了します。

「パパの物語」が結局明らかにならなかったのは欲求不満気味ですが、
演技陣の献身にはとても満足しました。

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