日本のいちばん長い日 (1967)

文字数 628文字

【東宝が総力を結集し祈った「平和」】 2015/8/4



シネマの中で太平洋戦争での日本人犠牲者「300万人」への認識の違いがくっきりと出ている。
ポツダム宣言受諾派は「もうこれ以上の犠牲は払えない」と云う。
徹底抗戦派は「死んだ同朋に申し訳ない、言い訳ができない」と云う。
ここからみえて、くるのは、行き当たりばったりの無計画性、明治維新以来の硬直した唯我独尊の国民性だ。

連合軍から突き付けられた最後通牒ポツダム宣言を理性的に受け止められない軍国主義者たちが最後に従ったのは、天皇の聖断だった。
天皇を統治の要として利用し続け、政治の単なる決済機関として国民及び天皇を愚弄してきた軍閥の無責任さを最後の最後まで引きずっていた。
  
独りよがりで熱しやすく、責任を感じない・取らない我日本人の性根は、恥ずかしいことに70年が経過した今も変わらない。
それでも70年間、戦争を控えてこられたのも、少なくとも民主主義を曲がり形にも守ってこられたのも、占領軍(マッカーサー)ギフトの憲法と、昭和天皇・今上天皇の賜物だ。

阿南陸軍大臣(三船敏郎 熱演)が自決前に、参謀に語る。
『どうするかは、まるで見当がつかないが、生き残った日本人の役目は平和で戦争のない時代をつくることだ。』

本シネマは1967年製作、東宝35周年記念のシネマだ。
錚々たる俳優陣を見るだけで、どれだけ気合を入れて作られたかわかる。
あれから48年、
リメイクシネマ公開を前に、現実社会の変質に危惧すること多々な毎日だ。
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