人間失格 太宰治と3人の女たち (2019)

文字数 427文字

【三人の女優さん】 2019/9/17



宮沢りえさん、沢尻エリカさん、二階堂ふみさん、
僕が(というか多くの人たちが)大好きな女優さんをまとめて観る幸せはなかなか無い。
それだけでも蜷川監督に大きなポイントが与えられる、
と勝手に思っている。

それも、一人ずつタイプの異なる個性的女性を演じ切るお三人、
「シネマは女優」という僕の理念が心の中で凱歌をあげていた。

無論小栗旬さんは素晴らしい、
今更ながらだが全霊で役に入ってアンチヒーローを怪演する。
ただし今シネマでは男は添えものだった、たとえ太宰であろうとも。

先日拝見した「ダイナー」にも感じた色彩の演出、
VFXで舞台を再現するかのような幻想の演出、
今シネマは蜷川フィルムがシリアス設定でも実効することも証明してくれる。
圧巻の「日の丸と万歳」シーンには嫌悪と感動でめまいがした。

太宰の才能を絞り出す妻(宮沢りえ)、
太宰の才能を奪い取る愛人(沢尻エリカ)、
太宰の才能を消す愛人(二階堂ふみ)。
今シネマは女優のものだった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み