ジュラシック・ワールド/新たなる支配者  (2022)

文字数 858文字

【コンパクトで、もちろんサステイナブル】 2022/8/2



スピルバーグ監督ならではのタイムリーな話題に満ち溢れていた「ジュラシックパーク(1993)」から30年、ついにシリーズ完結となる。
恐竜のことなど全く興味がなかった、僕を含めて数多くのシネマファンに古代地球を考察する機会を与えてくれたこと、人類はそのあとから発生したにもかかわらず地球生態の頂上に君臨し地球を食い物にしてきたこと、今でいえばSDG’s思想を先取りし涵養してくれたことを改めて痛感した。

さて、シリーズ6作目にしてジュラシックワールド・シリーズ3作目の本シネマは、相変わらず恐竜飼育士(クリス・プラッド)が多種多様な恐竜たちと親しく、または恐怖で付き合うところが大きな見せ場となっている、サステイナブルなシネマの醍醐味は変わることがなかった。
サイドストーリーとして飼育士夫婦とDNA操作クローン娘との家族愛が、恐竜親子のそれとメタファーされ、安直とはいえ心温まる展開が用意されている。
互いに血のつながりが特殊な家族ではあるが、その愛の在り方はこれまたサステイナブルだった。

本シネマでも、今までのシリーズのお約束通りに間抜けな悪役が準備され、そこから惨劇が生じ大混乱の末に新しい秩序が訪れる。見せ場でもある恐竜とのバトル、迫力もバリエーションも十分に満足いくものだったが、さすが6作目となると新鮮味には欠ける。
その打開策でもあり、シリーズ最終作としてのイベントとしてでもある旧作の主役たちが本作で再登場する。
30年前の古い話を覚えているわけもないたが、このゲスト達3人の存在を訝しむ間にがシネマ展開テンポを微妙に狂わせ続ける。
30年の年月を経て同じキャスティングで好評だった「トップガン・マーヴェリック」とは異なり、彼らゲストはシネマのスケールを押しとどめていた、まるで過去の栄光にすがるかのように。

完結編シネマとはいいながら、驚愕のシーンには巡り合うことはなかったものの、
人類が今直面している地球危機、その回避方策にしばし思いを馳せることができた。
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