美しい星 (2016)

文字数 581文字

【三島 SFも書いたってよ】 2017/5/26



三島由紀夫さんの研究家でも愛好家でもない僕でも
《三島由紀夫のSFが原作》という予告編のキーワードは
グサッと胸に刺さった。
原作は55年前のもの・・・いまさら読むこともなしに
吉田監督の脚本の進むがままに楽しませてもらった。

気象予報士のお父さんは火星人、
フリーターの長男は水星人、
美人の長女は金星人 
そしてマルチ商法にはまるだけあってお母さんは生粋の地球人。

この家族4人の紹介とエピソードの積み重ねだけでも結構興味の尽きない展開だ。
ドジなお母さんもさることながら、
不倫相手に仕事を乗っ取られるお父さん、
敵対する水星人に雇われる長男、
処女受胎だと宣う能天気な長女・・・
皆それぞれに不完全な宇宙人なのが愉快だ。

「人類を救う」というテーマで論争するお父さん火星人、
人類も地球の一部だから絶滅するも仕方なしとの強硬悲観論には
どうしても組みすることができない。
今からでも人類は後戻りするべきとテレビで叫ぶ姿は、
結局はマスコミの程よいエサにしかならなかった、
まさに現実は厳しい。

本作は、三島由紀夫原作を借りての吉田監督の
「地球温暖化問題」の提起、何を今されというなかれ・・・
誰も本気で考えていないことが一番の問題なのだから。

物語の流れが途絶えたり、映像に不可解なシーンがあったりするが、
この壮大なテーマに免じて気にしないことにした。

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