ジャケット (2005)

文字数 773文字

【パラレルワールド好きなんです、実は。】 2007/2/25




TSUTAYAさんのおすすめだけを信じて観てみました。ありがとうTSUTAYAさん、グッドでした。

ヘビーシネマファンを自認する僕も、時々自己責任を放棄してリラックスすることがあります。
こういう時は、荒筋はおろか、キャスティング、スタッフも事前チェックなし、知らない街を散策するような楽しみが味わえます。
シネマ前半では、エイドリアン・ブロディ(脳に外傷後遺症の元兵士)の体感事例につき合わされストーリーの骨が見えなくて、若干焦燥感を感じます。
でも、ちょうどその頃、全体像がわかる仕掛けになっていて、なかなか観客を退屈させない職人技も満喫できました。
テーマは最近やけに多いタイムスリップベースでした。流行どおり近未来、15年未来に時間旅行する中でのミステリーと愛が、食べごろ素材いっぱいの感覚で盛り付けられてます。

直近で観た「イル・マーレ」とはコンセプト面で良く似てますが、本作では多様な人物が関わる点が大きな違い。その分だけ、個人的には本シネマに大きく感情移入できたと思います。
その要素は俳優。
キーラ・ナイトレイが汚れ役(ごめん)とパラレルするエリート役、
ダニエル・クレイグが「カッコーの巣の上」風異常者役(最後のクレジットまで彼だと気づかなかった、リラックスし過ぎ?)、
クリス・クリストファーソンがマッドドクター役を、
高い完成度で演じています。
最初、驚かせホラーサスペンスと、高を括ってたいた自分を大いに反省したものでした。
本作の時空トンネルの言い訳は、生体実験患者の怨念とのこと、念のため。
ラスト、お約束の、時間との戦い、歴史に対する挑戦は一工夫されていて満足しましたよ。

パレレルワールドにまたがる生と愛が観客にさわやかなカタルシスを投げかけてくれる、まさにお得なシネマでありました。
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