ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017)

文字数 538文字

【戦争反対、宇宙に愛を】 2017/12/18



リュック・ベッソンの、そしてフランスのシャレと意地が宇宙を救うのだった。
遥か昔昔(ロングタイムアゴウ)の宇宙での争いをあえて全面否定して、
遥か遠い未来(2740年)における人類の愛と平和を謳歌する、
アンチ・スターウォーズ・シネマ、
そろそろこんな挑戦が欲しいと思っていたところだった。

その意味から本シネマは本家・宗家にことごとく対立してみせる。
前述のように時代は遠い未来、
登場するのは高い知性の宇宙人たち、
主人公は特別な権力を持つ連邦捜査官、ただし見かけはどう見ても少年少女の二人組、
物語のテーマは、人類の無謀な戦争に巻き込まれ母星を失い彷徨う心優しき宇宙人種、
映像はVFX満載、リアリティにはほとんど敬意を払わない。

しかしながら、
帝国軍と共和国義勇軍、悪と善、強者と弱者のような単純な仕分けも無い。
正義を全うしているつもりで、
多くの小さな幸せを踏みつぶしてることに気付かない傲岸への批判が爽やかだった。
そのためにも、少年少女風味のスーパーカップルは必須だったのだろう。

砂漠の惑星、モンスター星人、スター航法などなど本家の類似性を意識しながら、
まるで異なるシネマに仕上げたリュック・ベッソン。
フランスの底意地悪さすら感じてしまった。

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