しゃべれども しゃべれども (2007)

文字数 753文字

【明確にし最善の方法を選んで情熱を持って】 2007/11/21



しゃべれども しゃべれども 心通じ合えない世の中になったのか?
それとも、しゃべるには技術が必要なのだろうか?
このシネマにもでてくる「会話教室」のようなものは役立つのだろうか?
しゃべりのプロである噺家、それも若手の「二つ目」を通して
「人の繋がり方」を問いかける青春ドラマとしての仕上がりに好感が持てた。

ところで、
落語が大好きで師匠の噺に惚れ込んでいる若手噺家の生活風景なんて、とても知るすべの無い僕には、こちらも大変興味深く勉強させてもらった。
これは原作、いや佐藤多佳子さんの取材努力に感謝するのは当然ながら、
このベストセラーに生き生きとした奥行きを付け加えられるシネマの魔法に又も酔ってしまう。

二つ目(国分さん好演)の恋の行方にストーリーが絞られていたが、これはこれで満足だった。
師匠(伊藤四郎さん、さすが)はじめ落語業界のエピソードをほどほどに押さえた展開は、シンプルでわかりやすく、本シネマに一貫して流れる「さわやかな香り」を際立たせていた。

肝心の「しゃべりとは何か?」についても、
その解答はわかりやすくストレートだった。
●しゃべらなければとうてい気持ちは通じない・・・・失恋してやけ食い弁当で腹をこわすのが関の山。
●しゃべるだけで足りないなら行動しなければ・・・・相手を笑わせるのも立派なコミュニケーション。
●しゃべるのに格好をつけてはいけない・・・・本音も毒もエッセンス。
●ただし、しゃべらないで通じるときもある・・・・「酸漿(ほおずき)」は言葉より強かった、だから恋はややこしい。

当たり前すぎて、真面目に考えたことも無かったが、
しゃべるとは、伝えたいことを明確にして、最善の方法を選んで、情熱を持って実行することなんだと再認識した。
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