Winny (2022)

文字数 796文字

【Winnyを継ぐ者たちに誇りあれ】 2023/3/10


ご贔屓 東出さんを拝見するのが第一目的だった。
予告編情報では、オリジナルソフトの裁判事件での被告を演じるとのこと、何やら反権力の香り芬々で「菊とギロチン(2018)」のボランティア精神をもう一度見れるといいなと思っていた。
もうひとつは予告編でも見るからに役作り増量していたので、これもまた「聖の青春(2016)」の羽生善治さんを演じたあの執着をもう一度、とも期待して拝見した。

シネマの素材になっている2003年Winny事件に関しては全く知らなかった、ちょうど初マイPC 購入したころとすればさもありなんである。
主人公の開発したWinnyが悪用され逮捕者が続出し、警察・政府内でのウイルス感染が時の権力には許しがたいことだったという説明になっているが、本来は匿名性の利点を追及したファイル送付ソフトであり告発、抵抗などのツールとして有効なものであることは、開発者自信が理解しているとすれば、これは権力からの仕返しでしかない。

シネマは第一審で有罪になるところで終わっている。
エンディングロールで、その7年後最高裁で無罪を獲得した際の実写映像が流れ、いわゆる正義が証明されるという実話としての感激の 幕となる(ご本人と東出さんを比べるお楽しみシーンでもあった)。

シネマ自体は裁判がテーマであるとしても質素である、それをカバーして余りあったのが愛媛県警裏金作りスキャンダル。 一見物語本筋と関係がないような警官(吉岡さん好演)の告発エピソードがインサートされる。 Winny 匿名性が生かされる事件顛末、これも実際あったことである、本シネマはすべてにおいて権力に嚙みついていた。

今現在、報道の自由への介入、威圧を目の当たりにしている。
主人公が望んだより良い日本になるためのWinny、継ぐ者たちに勇気と誇りを持ってもらいたい。
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