ガンパウダー・ミルクシェイク   (2021)

文字数 752文字

【いったい、あなたたちは何者?】 2022/3/22



近未来ばなしなのか、それとも近昔ばなしか、異様なテイストで始まるプロローグ。
前評判では凄腕女性殺し屋たちがへなちょこ男ども相手に命を懸けて立ち向かうとのことだが、このパターンって今流行りなのかしら。
近作「355(2022)」も女性スパイが既存のスパイ組織に抵抗するテーマだった、いまになって急にシネマ業界がフェミニズムに目覚めたとも思えないし。
加えて、またもや子供(女の子)のために命を張る大人(女殺し屋たち)、「グロリア(1980)」の亡霊がまたもや迷い出ている。

なんて愚痴を思い浮かべたが、もしかして瓢箪から駒かもしれない。
ハリウッドはじめ世界の映画界が真剣にフェミニズムを表明しだしたのだとしたら、これほどわかりやすいことはない。本シネマでも敵役の親分がフェミニストを誇らしげに宣言しながらも、心の底ではミソジニストであることをポロリと漏らす。
そう考えると、主人公親子(母娘)の命を狙うほど嫌悪する「ファーム」は男性主義ゴリゴリの組織の映画業界のメタファーだったりして。

なんて小難しいことを思いつくほど本シネマは退屈ではない。
女性殺し屋たち一人ひとりの必殺技が用意されていて、仕置方法もこれまた銃だけではない、この辺りの必殺仕置は日本TVドラマへの敬意だろうし、他にもいたるところに日本テイストが散りばめられていた。
とはいえ、本作の名誉のために付け加えておくと、過去の名作からの借り物ではない見たことの無いような殺戮アクションが多かった、と思った。

生き残った女殺し屋4人と弟子ひとり、次回作でどんな殺しの荒技を見せてくれるか、あるいはもはや種切れか? 少なくとも無敵の女性たちの素性くらいは知っておきたいな、
今作で死んじゃったマデレーンも含めて。
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