1917 命をかけた伝令 (2019)  

文字数 671文字

【戦争 生ライブ 】 2020/2/27



サム・メンデス監督のこだわり「ノーカット・ワンショット・シネマ」との喧伝が
頭から離れない2時間だった。
「ノーカット」で名をあげた「カメラを止めるな」において仕込まれたようなトリックもなく、正々堂々のワンカットフィルムだった。
言葉にすれば
「つねに主人公の横にカメラがいて彼の一挙手一投足を見守りながら物語が進む」
それは精密に計画された脚本と撮影と大道具小道具と共演者と特殊効果と自然を、
ミスひとつなく管理することに拠っていた。
そんなシネマも不可能ではない‥‥と思ってはいけない。

テーマは第一次大戦の英独戦闘地域での戦闘をベースにした厭戦シネマだから、
いたるところというか全編これ戦闘シーンの連続だから。

ロバート・キャパが高性能カメラを担いで主人公のライブ映像を
衛星経由で送ってきているという「たとえ」が分かりやすいかも。
なかでも複葉の戦闘機が撃墜され主人公に向かってくるシーン、
最先端のデジタル処理がなされているのだろうが、
「ワンカット」を念頭にしていると臨場感に圧倒されて、
顧客は、少なくとも僕は息を潜め両手を握りしめてライブ映像じっと見つめるばかりだった。
第一次大戦の塹壕戦は1世紀以上も昔のことなのに、
経験したことの無い圧倒的リアル感に包まれる。

本作はシネマが総合芸術であることを、
総合芸術としてシネマは存在感を持つことを教えてくれる。
撮影監督のご苦労は素人には計り知れない。

その一方で、主演ジョージ・マッケイが成し遂げた2時間連続演技の価値は
理解できるような気もする、
ウルトラマラソンみたいかな?
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