サニー/32 (2017)

文字数 453文字

【命の尊さ、でも死体ゴロゴロ】 2018/2/19



白石監督の皮肉炸裂だった。
事前情報から オタク誘拐物語かと思っていたら空振りだった。
インディーズネタを、それらしく撮っているのは安っぽさを演出したのだろうが、
スピーディで予想不可な展開に最後には重厚感すら覚えてしまった。

11歳で同級生を殺人した伝説の少女が32(サニー)、
大きくなったサニーを誘拐する男たち、そのサニーに野暮用のある男女が集う。
リアルタイムでその闇の集会をネット中継するこれまたオタク。
邪悪サイトストーリーと割り切ろうとしてもそのテーマがずしりと重い、 
「人を殺した罪を償うことはできない」。
先般上映された「悪と仮面のルール」も同じ問題に主人公が煩悶する。

しかし、
少女殺人者サニーを神降臨と崇める無責任な、しかし悩めるネット羊たち。
14年前の少女殺人事件と、サニーの降臨がフラッシュバックで交錯する。
そんなサニーの周りで、いかにも無意味な死に至る登場人物たち、死体がゴロゴロ。

人の命を奪うことの罪の重さがくっきりと浮かび上がる。
皮肉が輝く。
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