リンカーン弁護士 (2011)

文字数 618文字

【ちょっとひねった正義だが小気味よし】 2013/6/30



マシュー・マコノヒーが圧倒的存在感でシネマを引き締めてくれた。
マイクル・コナリーファンとしては、
どんなミッキー・ハラーに仕上がっているものか不安だったが、全く杞憂。
刑事弁護士として矜持「無実の人間を刑務所に送らない」に身を捧げる主人公が
シンプルに描き出されていた。

長編原作の「あっ」という簡略化がシネマとしての成功の第一のキーだった。
法廷劇とハードボイルドを行き来する複雑なストーリー、
くわえて法律の盲点を突く切羽詰ってのどんでん返しに至る細部は見事簡略されている。
だからとって、不可解でも不親切でもなかった・・・
その分弁護士の生き様にフォーカスできていた。

第二のキーだったのは役者陣容の堅実さだろうか。
渋みを増してきたマシュー・マコノヒー、悪役もどんとこいのライアン・フィリップ、
年齢不詳の美女マリサ・トメイ、堅実好漢ジョシュ・ルーカス、曲者ウィリアム・メイシー、
スパニッシュ マイケル・ペーニャ
などなどの俳優がシンプル展開を退屈させてくれない。

第三のキーは、ちょっとひねった正義。
罠にはまり、信条を揺るがせる間違いに気づき、友人を失い、
家族にも危険が迫る中でも弁護士は軽やかなステップで反撃する。

矜持を周りに理解されなくても気にしないひたむきさをユーモアに隠しながら、
ミッキー・ハラーにとっての正義は加速されていく。
マシューのリンカーン弁護士、続編が観られるといいのだけど。

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