クリミナル 2人の記憶を持つ男 (2016)

文字数 627文字

【とうとう ケビン・コスナーも】 2017/3/1



近年「ダーティ・ヒーロー」が大流行している。
末法思想がハリウッドにも蔓延しているとも思えないが、既存のエスタブリッシュへの不信が極まっているのは事実だろう。
宣戦布告なきテロ戦争、一国優先主義、あらゆる差別、不合理な非難中傷が世にはびこっていることを実感する。

ハリウッドが一匹狼のアウトローたちを担ぎ出したのはそんな背景があったに違いない。
トム・クルーズの「ジャック・リーチャー」
マット・デイモンの「ジェイソン・ボーン」
キアヌ・リーブスの「ジョン・ウィック」
ジェイソン・ステイサムの「メカニック」
そして今度は御大長老のケビン・コスナーが感情のない凶悪犯罪者を演じることになった。

無論、アカデミー賞俳優へのレスペクトはしっかりと外さない仕掛けがあってのことではあるが。
死亡したCIA工作員の脳内記憶を転写するというオプションがついている。
スパイならではの知識、能力、そして家族への愛情までも転写されるという摩訶不思議はさておいても、CIAの妻と娘との交流は本シネマの見所になっていた。

真に腐りきった暴力的犯罪者の活躍と、洗練された人格への変異、薄れていく転写記憶…なかなかのサスペンス&ロマンスだった。
悪人と善人が同居する主人公、かっての名作「パーフェクト・ワールド」のケビンを思い出してしまった。

さてさて、この一匹狼のダーティ・ヒーローがすんなりとCIA工作員の人格に収まって、続編になることだけはご勘弁。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み