プラネタリウム (2016)

文字数 616文字

【今が盛りのナタリー ユダヤの星】 2017/9/27



ナタリー・ポートマンとリリーローズ・デップの共演が目玉だということは よくわかる。
僕もナタリーの新しい芸域を観ることができるのかと思って拝見した次第だ。
近年幅広いシネマ活動が記憶に残るナタリー・ポートマン、
ブラックスワン以後も、アメコミはじめ、西部劇、歴史ドキュメントでの存在感は強烈だった。

いつものように予断、事前情報なしの本シネマ、美女お二人のサスペンスものくらいに思っていた。しかし、単なる降霊媒体を商売とする姉妹の顛末物語とは違っていた。

時は1940年代のフランス映画製作業界に忍び寄るユダヤ人迫害の恐怖を描く。
際物ショーとして死者との交感で生計を立てる姉妹に舞い降りた映画化のオファー。
その製作責任者に対するユダヤ差別トレンドが本シネマのテーマだった。
ユダヤ差別がナチスドイツだけの特権でないことは知っていた、それは当時のヨーロッパ全域の病巣でもあった。
今改めてその歴史的事実に立ち返り、宗教・人種に基づく差別を問いただすシネマだった。

その一方、イスラエル人のナタリーにとっては当たり前の主張であり、過去の生き方に従ったぶれることのないメッセージが発信されていた。
それにしても、歴史的事実を繰り返し再現し、現在の政治情勢に警鐘するフランスのシネマ界の健全さが羨ましい。

そんな教条的なことを忘れ去っても、ナタリーの美しさを映像に残してくれたフランスシネマ界に感謝したい。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み