犬猿 (2017)

文字数 420文字

【人生は喜劇、ついでに家族も喜劇だ】 2018/2/15



姉妹と兄弟2名がセットで織りなす悲劇とスリラーのレイア―ケーキ。
可愛いけど阿保で役立たずの妹と家業を継いで頑張る不細工な姉、
堅実に生きる弟と、楽して儲けたいムショ帰りの兄、
それぞれを(姉妹)江上敬子・筧美和子、兄弟(新井浩文・窪田正孝)がエキセントリックに演じていた。

この4人、物語の中で重層的にお互いに関わり合い、傷つけ合い、貶め合う。
悲劇のシチュエイションが途中から恐怖のそれにレベルアップされてきて僕は息が詰まりそうになる。
といっても、大したカタストロフィーが待ち受けているわけでもない。
ヤクザな兄貴は堅気になれない、
小心な弟は兄貴を捨てられない、
ブスな姉は綺麗になれない、
馬鹿な妹は気配りができない、
生きている毎日なんてそんなもの、人は変わることはできない。

最後には甘い夢の世界から強烈に突き放される、
人生は喜劇、たとえ悲劇のかたちをとっていても、
そして家族もおんなじだった。
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