チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 (2017)

文字数 517文字

【すべては神の御心】 2018/10/10



最初に言っておくが、肖像画に秘められたのは「愛」ではなく「愛欲」だし、
チューリッピ・フィーヴァーとは投機ギャンブルを象徴しているということ。
人生を投機対象にしてはいけないという深い神の教えがそこに詰まっている。

17世紀チューリップ投機でバブル景気のアムステルダムを舞台に、富豪の後添えとして孤児院から買われた少女ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)と若き天才画家ヤン(デイン・デハーン)との忍び愛を幾分コミカルに描いている。
アリシアには、泥に塗れたララ(トゥームレイダー)よりも清楚で儚い美女がやはりよく似合う、当たり前だけど。

脇で締めているクリストフ・ヴァルツ、ジュディ・リンチのおかげで安直なメタファーも少しだけ重みを待っていられた。
つまりは、ジェンダー差別、拝金主義、教会権威へのアイロニーが宙に浮くこともなかった。

物語はソフィアの侍女マリアのモノローグで始まり収束する、悲惨なカタストロフィーもなくみんなそれなりにハッピーエンディング。すべては神の御心の通りだった。

老婆心:
ヤンの描くソフィアの肖像がフェルメールタッチ。
何やら「フェルメール展」のPRシネマになったりしないといいけど。
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