移動都市/モータル・エンジン (2018)

文字数 601文字

【オーソドックスSFを駄目にしたのは何?】 2019/3/7



意味不明の部分が多い「移動都市」構想だけど、ポスト・アポカリプス シネマとしては異色の設定だ。単純に受け取れば、狩猟組織と農耕組織の争いとなる。
人類先史時代では、農耕民族がサバイバルするということになるが、遥か未来の物語となるとどうなるのか?
着目点はユニーク、21世紀の僕らにも参考になるようなメタファーでもあるものかと期待していた。

ところが、内容があまりにも盛沢山。
サバイバル集団の強奪合戦、復讐噺、サイボーグ、親子の愛憎、人身売買、お尋ね者、最終兵器、長城攻撃、空中戦・・・
これらすべてが薄味の浅底で、ひとつひとつのエピソードも尻切れトンボのままにされる、
つまるところ 不親切であり説明不足を露呈してしまう。
キャスティングも、よく言えば大胆で新鮮だけど、地味で物足りなさは明白だった。

映像そのものは 最新VFXの恩恵を受けて魅力的だけど、いまどきのSFアクションシネマとしてアメイジングでもない。登場人物は既存のヒーロー、ヒロインの焼き直しの印象が強く、彼らのアクションもしたがって何かのコピーに見えてしまう。
次々に現れるバトルシーンも、クライマックスさえも既視感に圧倒される・・・白々しい。

脚本、構成、ディレクション、キャスティング すべてが力不足だった。
このシネマは、いったい誰に観てもらいたかったのか。

そもそも…の疑問が大きかった。
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