こわれゆく世界の中で (2006)

文字数 779文字

【世界遺産を守って】 2007/9/20



物語の設定について、花びらをちぎっていく、
ありえる、ありえない、でもありえるか?やっぱりありえない・・・。

その設定とは:
ロンドンの劣悪な環境地区開発に情熱を燃やす建築家は恋人とその娘と生活している。
娘は精神面での障害があるらしく、母親の最大の関心事、彼の居場所がない。
・・・・・ダラ、ダラ、ダラ。
建築事務所が何回も同じ手口で盗難被害にあう。
犯人の少年は建築家のヴィジュアルデータを盗み見て開発プロジェクトに興味を持つ。
この少年、セルビア難民、犯罪が明るみになって逮捕されるのを恐れている
・・・・グタ、グタ、グタ。
少年の母親はバッハピアノ曲を自己内面で演奏するほど、高教養を異国で持て余すインテリ。
息子の犯罪を身を挺して隠し通そうと画策する。
犯人を捜す建築家と母親がこの線上で出逢い、建築家は母親に惹かれる。
・・・・ベタ、ベタ、ベタ。

花びら占いの結果、
結局この日常生活(当然ロンドンに住む人間の日常ではあるが)、
「あり得るもの」のように納得した。

でも、終盤一気にサスペンスまがいの急展開でのハッピーエンド、
これはあり得ない。
生活者としての人間とは、いくら決心しても言いたいことを
大声で叫ぶわけにはいかないものだ。
シネマの論理からすれば、
徹底的にダラダラ、グタグタ、ベタベタになって欲しかった。

この不満に通じるもの、偽臭さを感じたのはキャスティングだ。
ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシェ、ロビン・ライト・ペンの
演技力には何も異議を唱えるものではない。

しかし、彼らは皆、無理やり薄汚れた絵にさせられているように邪推してしまった。
演技の新境地を開拓したのだといわれればそれまでだが。
それにしても、敢えて俳優の美しさ、妖艶さ、溌剌さをスポイルするのは、
先ず以って「勿体無い」に尽きる
・・・ここは世界遺産を守って欲しかったな。

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