決算!忠臣蔵 (2019)

文字数 578文字

【手練れ感に安心】 2019/11/28

  
吉本興業製作シネマには稀にとんでもない掘り出し物があったりするが、基本は上方笑い芸の範囲内でのトライアル。
「洗骨」はその代表的「稀」になるだろうが、今シネマも一風変わったシネマになっている。
中村義弘監督が近年得意とするコメディ時代劇に、強力な中村組の俳優を加えてヨシモト風味とまじりあわないカオスが愉快だった。

具体的に言えば、
お笑い芸人対熟練俳優の融合など端から目論むことなく、異質な集団間でシネマ創りに励んでいる。 それをアンバランスとみるか、それ自体をコメディと受け取るか?
ギャップ解決方法は「討ち入り費用」に徹底的にこだわることだった。
今更ながらの旧ギャグ、演技以前のオーバーアクションですら気にしないで済むような、現代日本円に換算した討ち入り費用の数々。
これほどまでに単価と合計金額表示がスクリーンに飛び交う作品は経験したことはない、当たり前だが。

繰り返しになるが、
堤真一、竹内結子、阿部サダヲ、濱田岳の各氏とヨシモト芸人さんたちの演技格差を如何に鎮痛するかに監督の努力が注がれている。
終わってみればそれなりの忠臣蔵になっていた。

中村監督の手練れが発揮されたコメディだったが、果たしてここまで費用をかけて実現する意味があったのか?

訊いてみたいのは、
決算として何千両になったのですか、このシネマを作るのに?
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