ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命 (2016)

文字数 775文字

【ジャクリーヌ-ケネディ-オナシス その深層】 2017/4/1



まずは、本シネマ製作の意図、狙いは何だったのだろうかと問うてみる?
アメリカ合衆国大統領夫人、世界一有名なファーストレディの在り方を
54年前にさかのぼって検証している。
現在のアメリカファーストレディ、はたまた日本版ファーストレディの実態と照らし合わせた
アイロニカルなシネマ企画なのだろうか。

それはそれで、特に日本版との比較考察は意義あることだけど、
あまりの知的ギャップにがっかりするだけ。

シネマは、ジャッキーの心の相反する2面から沸き起こる
叫びのような告白が交差しながら進んでいく。
ひとつは マスコミ向けのケネディ伝説を語る強靭な精神であり、
もう一つは神への救済を求める弱いしかし正直な心内から構成される。
心の奥底の葛藤に加えて、
影となって忍び込んでくるケネディ家の圧力と策謀がジャッキーをますます惑わせる。

この辺りの心理描写・・・・
ジャーナリスト、神父、ボビー・ケネディとの会話で繋がれていく展開は派手さを排して
ドキュメンタリー風に描かれ本作の見所になっている。
ケネディ家に逆らってまで大統領伝説を作ろうとするその先の自らの窮乏を予測しながらも、
子供たちの将来を憂う母の気持ちが愛おしい。

早くに亡くした二人の子供を父と一緒にアーリントンに埋葬し、
ケネディへの愛と忠節を表明するジャッキー、
ケネディ狙撃の瞬間の克明な記憶を話しながらオフレコに厳命するジャッキー、
ピンクのシャネルスーツにベッタリとついた血と脳漿を鏡の中に見つめるジャッキー、
ホワイトハウスを改造してテレビで公開するジャッキー、
葬送の先頭を頭を挙げて歩くジャッキー。

当時の記録映像をも上手に編集して組み込み、
ジャッキーの孤独な闘い、その臨場感をたかめていた。

この後、オナシスとなるジャッキーの心丈夫がひしひしと伝わって来た。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み