ソフト/クワイエット (2022)
文字数 706文字
【ノンカットレビュー】 2023/7/3
ワンカットフィルムという事前情報だけに乗っかって拝見したわけで、だから作品のテーマその背景の思想などはまるで気にかけていなかったところ、冒頭から嫌なに匂いがプンプンする問題作だということが察せられる展開になり、白人至上主義というよりも単純な人種差別者のプアー ホワイト女性がハーケンクロイツのジャムケーキを頬張ったりして、その無見識さ故の恐怖がじわじわと僕に迫ってくるのを、カットなしの延々と続く手持ちカメラが追いかけるのだが、サム・メンデス作品「1917(2019)」にあった緻密な撮影プランはないまま、ただ対象とするおぞましくも幼稚な犯罪を執拗に追いかけるノーカットに最後は敢闘賞を差し上げたくなる一方、登場するプアホワイトたちの切々たる逆差別、多様性文化、有色人種優先政策への嫌悪感はしっかりとぼくを捉えて離してくれないうちに、住居侵入、器物破壊、暴行、過失致死、殺人、死体遺棄への進化が目の前であっさりと実行されるに至っては、「白人と言ってもあなたたちは白色ではなく結構色がついてるけどね」・・・と教えてあげたくなり、そこに本作のメッセージである「教育」「教養」の欠如が国家をも分断すること、その教育の機会すら逆人種差別のネタになっていること、それがためにアメリカの未来に希望が見いだせないこと、その対策は誰が何時実行に移すのかという絶望がスクリーンに渦巻く中、ワンカットフィルムのエンディングに到達した、その最後をいろいろ予想し、さてカメラを止めることなくこの愚行を終わらせるにはどうするのだろうと危惧していたが、見事ひとすじの希望と共に遂にカメラは止まった。
ワンカットフィルムという事前情報だけに乗っかって拝見したわけで、だから作品のテーマその背景の思想などはまるで気にかけていなかったところ、冒頭から嫌なに匂いがプンプンする問題作だということが察せられる展開になり、白人至上主義というよりも単純な人種差別者のプアー ホワイト女性がハーケンクロイツのジャムケーキを頬張ったりして、その無見識さ故の恐怖がじわじわと僕に迫ってくるのを、カットなしの延々と続く手持ちカメラが追いかけるのだが、サム・メンデス作品「1917(2019)」にあった緻密な撮影プランはないまま、ただ対象とするおぞましくも幼稚な犯罪を執拗に追いかけるノーカットに最後は敢闘賞を差し上げたくなる一方、登場するプアホワイトたちの切々たる逆差別、多様性文化、有色人種優先政策への嫌悪感はしっかりとぼくを捉えて離してくれないうちに、住居侵入、器物破壊、暴行、過失致死、殺人、死体遺棄への進化が目の前であっさりと実行されるに至っては、「白人と言ってもあなたたちは白色ではなく結構色がついてるけどね」・・・と教えてあげたくなり、そこに本作のメッセージである「教育」「教養」の欠如が国家をも分断すること、その教育の機会すら逆人種差別のネタになっていること、それがためにアメリカの未来に希望が見いだせないこと、その対策は誰が何時実行に移すのかという絶望がスクリーンに渦巻く中、ワンカットフィルムのエンディングに到達した、その最後をいろいろ予想し、さてカメラを止めることなくこの愚行を終わらせるにはどうするのだろうと危惧していたが、見事ひとすじの希望と共に遂にカメラは止まった。