光をくれた人 (2016) 

文字数 497文字

【そして 光になる】 2017/5/31



第一次大戦、西部戦線の英雄であり、
同時に心に深い傷を負った灯台守の男(ファスベンダー)、
兄2人を戦争で亡くした女(アリシア・ヴィカンダー)は男に出会い恋をする、
ドイツ人と結婚したという理由だけで父親からも拒絶された女(レイチェル・ワイズ)は
夫と赤ん坊を一度に無くす、
そして三人は一人の赤ん坊をめぐって人間の奥底に潜む魔物に翻弄される・・・・

というまでの粗筋は、実は饒舌な予告編が教えてくれていた。
その結末を確かめるだけのシネマ観賞に終わるわけもない、
この3人の演技者の競演であれば。

灯台、灯台守というのは過去繰り返しシネマの素材になってきている。
《光》は海を照らすだけではなく
人生に迷うすべての人々の支えになるというメタファーである。

本シネマでは、男は生きる望みを与えてくれた妻の「光」になろうとする、
妻は絶望の淵にいながら、海からやって来た赤ん坊を「光」と思い込む、
夫と赤ん坊をなくした女は、その復讐のなかに「光」を求める。

ぶつかり合う大きな三つのエゴを収めるのは「一度だけの赦し」だった。
いま世界がエゴを主張している・・・・英国の叡智に習う時なのか。

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