サイド・エフェクト (2013)

文字数 525文字

【ラストランなのに?ラストランだから?】 2013/9/10



僕にとっては某アニメ作家の引退は全く興味のないところだったが、
ソダーバーグの本編引退とくれば、これは大ごとである。
最後のシネマだと宣伝されて、取る物も取り敢えず、劇場に駆け込んだものだ。

これぞソダーバーグのラストシネマだ!・・・・っていうには小品すぎるが、ソダーバーグらしい「ダークネス」をふんだんに味あうことができたのは、ラストランにふさわしかったのかもしれない?

本作はジャンルとしては今や死語になってしまった「スリラー」、それもヒッチコック正統派。
おまけに女性の怨念が引き起こす恐怖がテーマだから、その効果はもう堪りません。
精神科医(ジュウド・ロウ)とその患者(ルーニー・マーラ)の強迫合戦が物語のコアとなる。
その闘いの詳細に触れることは避けるが、男女のエゴが引き裂く日常が、サラリと描かれていく。
登場人物たちは結局みんな自分のことしか考えていないという、当たり前のことでもあるのだが。
殺人がたまたま社会のルールでは認められないだけ?
毎日、人は心の中で、言葉で、気持ちで殺人以上の罪を犯している?

やっぱりソダーバーグのラストランらしい。
彼の次なるプロジェクトが気になる、期待していよう。
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