ぼくのおじさん (2016)

文字数 563文字

【おじさんはつらいよ、ハワイの女神】 2016/11/3



スローテンポどころか、かなりかったるい「おじさん」は松田龍平さんならお得意技なのだろう、絵になっていた。
脇に、寺島しのぶさん、戸田恵梨香さん、宮藤官九郎さん、キムラ緑子さん、銀粉蝶さんを投入した物量作戦だった。
シリーズを狙っているらしいファミリー向けコメディ、お手本は「男はつらいよ」なのだろう。
今、日本シネマ界ではこの手のジャンルが抜けている。
ジジババからお孫さんまでみんなで楽しめる健全シネマが今作の狙いだろう。

ドジで、ぐうたらで、怠け者だが憎めない「おじさん」はもしかして、日本人の理想なのかもしれない、寅さんがそうだったように。
そうすると、大事なのは、《マドンナ》、彼女の魅力は「おじさん」の生き死にを決める。
そして、ご当地紹介、地方創生の効能がもし付け加われば万歳…というところだ。

今回の目玉は、ノスタルジックとしか思えないハワイ島でのロケ敢行。
そしてコナコーヒー農園の後継者がマドンナ(真木よう子さん)だった。

むろんファミリーシネマを目指すわけだから、恋のプロットは面倒くさくない。
だが、どうしたことかマドンナが不調だった。
本来なら、ハワイの太陽の下で内なるエネルギーを発散するはずの真木さんが不調だった。

ダメダメ男には強烈なマドンナが大切なことを痛感した。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み