SISU/シス 不死身の男  (2022)

文字数 846文字

【恐るべし フィンランドシネマ】 2023/10/30


ツルハシ一本でナチと戦う・・・という番宣コピーを確認するくらいの気持ちしかなかった、おまけに珍しいフィンランドシネマだし。
食レポであればこんな感想になっただろう・・・「なに うっそ~ 信じられない、美味しい!」
シネマのシリアスファンを自認するぼくとしては軽々しくも「面白~い」という言葉を発するのを控えるようにしているのだが、プロローグが終わってナチスSS部隊と主人公が出逢う頃にはそんな節度など吹っ飛んでいた、「これは面白い!」。

このシネマはいったいなんだ?
フィンランドシネマと言っているがインド製に違いない、と先ず思った、登場人物全員が怪しげな英語だったし、しかしインド系役者さんは見当たらない。

そのうちにそんなことはもうどうでもよくなった、プロローグ後は章立てのタイトルが大昔のハリウッドシネマで見たようななフォントで現れる。
これからのお話はこれこれですよという親切なタイトル通りの殺人スーパーアクションがまるでゲームのように展開していく。

物語はいたって単純、主人公は元フィンランド特殊部隊の猛者、部隊からも放逐され、SISUと呼ばれ恐れられている。 SISUとは不死身なのではなく、死ぬという気持ちにならないことだという、シネマはそれを実証(?)していく。
ソ連兵300人を倒したという主人公にとって一分隊程度は戦車があろうが全く問題なし、このナチスSS殺害が全編を貫く。 相も変わらず悪者ナチスはシネマの定番、80年も経て世界は決して許してはくれないようだ。

どんな方法でSS隊員を殺すか?
ツルハシだけではなくありとあらゆる武器を使う、倫理の枠が取り払われた戦争での殺しのバラエティだった。
主人公は、しかしながらナチスには政治的恨みがないところが本シネマの裏返しのカタルシスになっている。

やっと手に入れた天然金をSSから取り返すための殺戮、とにかく動機が分かりやすい殺しの満載、すっきりと楽しむことができた。
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