ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (2015)

文字数 614文字

【主役は 天才トーマス・ウルフです】 2016/10/14



アメリカ人俳優ではないキャスティングで大恐慌化のアメリカ出版界を蘇えらせていた。
天才作家トーマス・ウルフを演じたのは久々の快演となったジュード・ロウ、
その天才を世に送り出した伝説の編集者パーキンズをコリン・ファース、
トーマスの一番の理解者であり、パトロンであり、
愛人である年上の女性アリーンをニコール・キッドマン、
主に3人の火花ほとぼしる演技の鍔迫り合いはシネマのひとつの醍醐味に違いない。

途中でふとデジャブに襲われる。
先日拝見した「トランボ」と創りがダブってくる。
どちらも、実在の人物、トランボはヒットシネマ脚本家であり、
パーキンズはベストセラー編集者。
シネマではそれぞれのフィールドの有名人が実名で登場する。
トランボの周りには、ジョン・ウェイン、カーク・ダグラス、
エドワード・G ・ロビンソン達であり、

パーキンズには、ヘミングウェイ、スコット・フィッツジェラルドである。

もしかして今アメリカは古く良き時代を懐古する停滞にはまっているのだろうか?
そう言えば、昨日発表されたボブ・ディラン ノーベル文学賞受賞も
反権力を懐かしむムーブメントなのだろうか?

皮肉なことに本シネマの観どころは英国俳優の奮闘にあった。
特にジュード・ロウの自分で抑えることのできない天才の苦悩は大いに一見の価値がある。
オリジナルタイトル「天才」、
いまアメリカにはもう一度「天才」が必要になっている。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み