キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン (2023)

文字数 670文字

 【3時間26分退屈なし】 2023/10/20


「タクシードライバー(1976)」以来スコセッシとデ・ニーロに何度感激させられたことか。
47年の歳月を経てお二人の集大成シネマを拝見し、万感胸に迫りスクリーンの向こうに大きなエールを送った、二人は80歳 僕も古希を過ぎていた。

アメリカ先住民(インディアン)が土地を追われ居留地に閉じ込められたのが最初のジェノサイドだとすれば、本シネマで描かれる石油マネーの強奪は二度目のそして息の根を止める民族浄化だった。
そんな非エンターテイメント物語を3時間36分も切々と語ることができるのは、スコセッシしかいない。
一番懸念していた退屈な思いをまったく感じなかった、どれほどに内容の濃いシネマだったかという証になった。 (大殿筋が少々痛んだのは仕方のないことだけど)。

スコセッシフィルムには欠かせないデカプリオ、こんなイメージが定着してきているが本作も彼が主演、それも結構な汚れ役だった。 先住民と結婚して石油利権と強奪する叔父(デニーロ)に協力するという欲に流されながらも家族に未練を残す小悪党、見事だった。
唯一正義の白人はFBI捜査官たち、J・エドガー長官(デカプリオのイメージが皮肉)のもと先住民大量殺人事件を捜査する。
100年前(1920年代)のアメリカがいかに暴力で非白人を差別し富を強奪していたかを知る、はたして現代においてはどんなのか??

そんな想いにさせられる、さすがスコセッシパワーはちっとも衰えてはいなかった。
デカプリオはじめ80歳御大二人に ご褒美を差し上げてほしい。
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