アバター:ウェイ・オブ・ウォーター (2022)

文字数 1,006文字

【3Dメガネは もういらない】 2022/12/16


あの、シネマ史に燦然と輝く3D作品アバターの続編をようやく目にすることできた、長生きはするものである。
前作から13年にもなっていたとは思っていなったが、アバター第二世代の活躍はそれを的確に物語ってくれる。念のため当時購入したマイ3D眼鏡を持参したが不要だった。
正直なところ、もともと近視眼鏡の上にあの3D眼鏡を被せてのシネマ鑑賞はしんどかったので今回の英断はウェルカムではあるが、では本続編の観どころは何処にあるのか?
そこはそこで興味津々で拝見した。

3Dの驚愕がもはやなかった代わりに、壮大な海洋大河ドラマの発進をこの目で確かめることになった、スペースコロニー海洋ファンタジーという贅沢極まりないコンテンツだった、これならば3Dはもういらない。
この間拝見した「ブラックパンサー ワカンダフォエバー」で本シネマを先取りしたような海底帝国が出現したのでちょっとだけ心配していたが、さすがキャメロンの海洋物は年季が入っている。
「タイタニック(1997)」を悲劇の海洋ラブストーリーとすれば、本シネマは英雄たちの海洋家族ストーリーに大きく脱皮していた。タイタニックネタもしっかりとリサイクル活用されているところも微笑ましいが、やはり見どころは海中FXシーンの数々だった。
パンドラの森の民が海の民になっていくシーン、タルクン(鯨をメタファーしている)との心の交流、そのタルクン乱獲の悲哀、今作でも地球人(スカイピープル)の傲岸とパンドラ住民の高邁な精神とが比較されつつクライマックスに突き進む。

今作の敵役はグレードアップした元海兵隊員のアバター集団、ミッションは裏切り者抹殺という強面設定だ。
主人公アバターとその家族が次々とその標的となる中、果たして彼らは愛する家族と安住の地を守ることができるのか?
中身としては、このようなかなり古典的活劇になっている。

とはいえ、地球がもはや人類の住める星ではないという理由でパンドラを制圧する論理は、悲しいかな地球人類の現状を鋭く指摘するものに他ならなかった。
まずパンドラを焦土にして新しい街を建設する、富裕層のため(お金のため)動物を殺戮する。
今まさに崩壊中の地球そして人類の未来を危惧する数々のメタファーに胸が痛む。
さて、第三作も製作中とのこと、何処まで人類の馬鹿さ加減を衝撃の映像で見せてくれるのか、大きなお愉しみがまた増えた。
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