PK ピーケイ (2014)

文字数 596文字

【へんてこりんな純愛物語】 2016/10/30



冒頭、インドの辺鄙な田舎、雲にカモフラージュされた宇宙船から降り立つスッポンポンの男。
「未知との遭遇」、「第9地区」、「ターミネーター」の圧迫感は、しかしながら全く無い。
主人公のPK (宇宙人)のへんてこりんな表情、
いつも何かを食べている口の動き、これはコメディ、それも本格的インディアン・コメディだ。

だが、日ごろ不慣れなインドシネマにつき、ユーモアの掴みどころがどうしてもずれてくるし、
シネマの流れそのものが穏やかでじれったい、そしてお約束の歌と踊りをどう受け止めていいのか戸惑ってしまう。
まずもって本作コメディのコア部分である宗教(神)に関しての論理的正論から発っする勘違いギャグなどは、心の底からは笑えない。

あらすじはいたってシンプル。
宇宙船のリモコン(?)を盗まれて母星に戻れなくなったPKがたどり着いた先が「神様」。
神様に頼んで失せものを取り返そうとする騒動の中で、現在の宗教がすべて「間違い電話」だと理解するPK。
それらは意図的に恐怖、恫喝を使って人々の宗教心を抑圧していることも気づかせてくれるPK。

宗教の見本市のようなインドならでは、このテーマは愉快だったに違いない。
宗教心そのものが退化してしまった日本で、このアイロニックコメディが評価されることはまずない。
そのための純愛エピソードが、ちゃんと用意されているので、安心だけど。
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