マクベス (2015) 

文字数 478文字

【真っ赤なマクベス】 2016/5/17



シェイクスピアの時代にシネマがあったら、彼はどんな脚色をするのだろうか?
舞台と同じようにはしないだろうな。

広い空と海と荒野の中にたたずむ ちっぽけな人間たち、
王も将軍も魔女も所詮一刻の生を貪る者たち。
戦闘シーンはダイナミックにリアルに、なにせ観客は「血」が好きだから。
VFXにまで手が届くなら亡霊もホラーの感覚で撮れるはず、
これも顧客満足度アップのために使ってみる。
役者は、異色のシネマスターを使ってみよう、
シェイクスピア俳優はいつでも舞台で使えるのだから
ファスベンダーはドイツ語、コティヤールはフランス語も上手だから、
変わったイントネーションが期待できる。
なにより、舞台をそのままスクリーンに移し替えても仕方ないことだ。

これはシネマ、シネマファンに愉しんでもらうことが第一義だ。
シネマらしいクライマックスとして観るものを「あっ」と驚かせてみるか。
バーナムの森が 真っ赤になって動き出す、
火の粉を背景にしたマクダフとの死闘、
キングの剣を手にして、赤い闇の中を未来に突っ走る フリーアンス。

どうだ、シネマらしいだろう。

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