空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎(2018)

文字数 717文字

【遣唐船がちゃちなのは 吹替ギャラのせい?】 2018/2/27



壮大なストーリー、中国人キャスティングもゴージャス、最先端のSFX.
なんといっても、今が旬の高橋一生、吉田羊をはじめとする豪華吹き替え俳優陣、
東出昌大もイッセー尾形もいる。
・・・という皮肉には三つの棘をふくんでいる、さっさと申し上げよう。

(1)本編のリアルキャストは染谷将太、ちょっとだけ阿部寛がフォローしているが、
 貧弱だと感じた、吹き替え俳優に比べて。
(2)その吹き替え俳優たちだが、吹き替えが下手だ、
 もっとも本業もマエストロというわけでもないのでその下手さが納得できるけど。
(3)その染谷将太さんもどうやらオリジナルは中国語で演技しているようで、
 自分の吹き替えを日本語でアフレコしているがこれも上手くない。

物語は夢枕獏さんのファンタジーをベースにしているので
日本人好みの歴史ミステリータッチだ。
ジャポニスクふんだんのチャイナシネマになっている。
オリジナルタイトルで明らかなように、これは空海物語ではない、
彼はラブファンタジーのナビゲーターにしか過ぎない。

「空海」というありがたいお名前につられてシネコンに繰り出した
敬虔な真言宗のお年寄りは騙し討ちにあったようなものだろう。

その空海がイメージからほど遠い演出になっている。
天才、アイデアマン、実行の人、空海はここにはいなかった。
染谷さんの演技構成は彼の本分ではなかったろう、
あのアルカイックスマイルが気味悪かった。

タイトルでネタバレしているので、悪魔猫伝説について一言。
近年のCG技術で猫などいかようにも映像化できるのかもしれないが、
ぜひ 製作スタッフにラッセ・ハルストレム「僕のワンダフルライフ」を見てほしい。
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