あん (2015)

文字数 525文字

【高齢者のお手本、樹木希林さん】 2015/6/1



まずは興業成績安泰をお祝いします。
月曜日のマチネーで満席なのには驚きました。
お客さんのほとんどが高齢者の方々なのも異様でしたが、
この時間帯を埋めることができるのは高齢者の他にいるはずもありません。
もっとも、高齢者のひとりとして
河瀬シネマにこの大勢の仲間たち耐えられるかと心配していたのが本音ではありました。
寝音でしか確認することはできませんが、睡眠を愉しんでいたのは、
なんとたった御一人だったやに思います。

こんなにも高齢者のシンパシーを獲得したのは本作の奈辺にあるのか?
監督には申し訳ありませんが、本作は極めて特異まれな「女優」の魅力に満ちていました。
ずばり、樹木希林シネマでした。
確かに、監督のお好きそうな美しい絵が随所い挿入されています。
ヌーベル・ジャポニスム(勝手な言い方で恐縮です)は、日本の日常をエキゾチックに切り取って見せてくれました。
社会問題提起、現在の日本に巣食う閉塞感もワイドショーなみに取り上げてみせました。

それでも、
樹木希林さんのシネマに対する眼差しが突出していました。
全身全霊という言葉を思い出したほどです。
俳優魂とはこういうものでしょう。
高齢者はこんな熱意が大好きなのです。

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