アウト&アウト (2018)

文字数 482文字

【ハイセンスゴリラ男とPURE GIRL】 2018/11/21



遠藤憲一さん 究極の役にたどり着いた。
日本で最も危ない男5人に入る私立探偵役、
日本のフィルム・ノワールに新しいページが刻まれた。

オープニングシークエンスから「ノワール」の匂いがプンプンする。
音楽もそんな雰囲気を盛り上げてくれる。
なにより、笑わないゴリラ顔の遠藤さんのハードボイルドが突き抜けて素敵だった。
官憲を「屁」とも思わない肝の座り方と、
訳ありな少女への無心の愛情が同居するアンチヒーローの誕生だ。

主人公矢能には シネマ「レオン」、
または原尞さんが「そして夜は甦る」などで作り上げた探偵沢崎のイメージが濃く漂う。
僕には理想の私立探偵像、日本版マーロウといってもいいような印象だった。

探偵と少女の謎めいた関係(栞ちゃん可愛くて賢いのだ)、
探偵を取り巻く裏社会の男女たちのこれまた謎多き関係、
しかし、そこに流れる仁義またはハードボイルド精神が心地よかった。

上手に続編ができるといいけど、
無理やり作り上げて壊れるならこの一作だけでいいな。

本年邦画ベストランキングに絡んでくるであろうクォリティだった。

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