10 クローバーフィールド・レーン (2016)

文字数 631文字

【薄味の破滅カクテルですが 乾杯!】 2016/6/19



由緒正しい HAKAISHAの後継シネマには違いない。
ただし前作のリベラルクリティックは影を潜め、製作作法も至って真っ当だった。
いわゆるマーケティングしてみたらこんな地球破滅エピソードも今なら当たるとのリサーチがあったのか。

前作の続きはほんの少々だが、「破滅の恐怖」というキーワードが物語を支配する。
侵略戦争にとってかわるのが誘拐ミステリーと強き女性。
アポカリプスに際してシェルターに全財産を投じた立派な親父がいる。
だが、彼の弱点である少女誘拐、拉致監禁性向を、ことあろうにシェルター避難時についモロダシしてしまう。
その被害者女性と犯人親父との真実を探る闘いと、シェルター外で起きている真実を求める闘いが並行して進行する。
閉じ込められた女性の恐怖と疑心暗鬼は、僕にもよく感じることができる…いったいどっちが本当のことなんだ?
外は汚染された地球、中はいかにも怪しい善人(ジョン・グッドマン好演)。

この構成はトム・クルーズの「宇宙戦争」にもあった、いわゆる家族の絆を宇宙人攻撃の中で強めるというカクテルシネマだ。
そして、今シネマは誘拐ミステリーの成分がたっぷりの SF好きの僕には全く薄味のカクテルだった。
この薄味はそれなりに美味しかった、いやホント。

エンディングで、ダイ・ハードレディ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)がきりりと美しい顔を引き締めて戦場に向かう。
次回作に期待しよう、濃いめのカクテルは。
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