ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ (2017)

文字数 643文字

【これこそアメリカ市民ファースト】 2018/2/24



例によって事前情報なしだったが、エンディングシーンで知らないうちに微笑んでいた、いいシネマの証拠だった。
エンディングロールで本シネマが実話であること、本人が主人公その人を演じていることを知る、相変わらずの我が身の呆け模様であるが、良いシネマとの出会いの感激はより大きい。

荒筋はシンプル、物足りないくらい単純な恋愛ストーリーだ。
14歳でパキスタンからアメリカに移ってきたクメイル(コメディアン)が共に生きる人生をあきらめた恋人と、大病(ビッグ・シック)を機会によりを戻す、実に直截的ではないか。
9.11でいったんはイスラム教アメリカ市民との溝ができたが、その修復を行えるのは生身の人間であるアメリカ市民でしかない・・・ということ、
今ブームの多様性賛歌だった、またしても。
この話が、もっとも、シネマの中で語られるわけではなく、政治的趣は全くない。
ISISやイスラム教徒への偏見も当然取り上げられものの、さらりとギャグで昇華される。
さすが人種差別ネタが市民権を持っているアメリカならではだった。

コメディアン クメイルを本人が演じているが、
僕がそうだと気が付かなかったくらい抑え目の演技構成だった、これが彼の持ち味なのかな?
恋人、その両親、主人公の一族、それぞれのストレスが主人公に降りかかるが、すました顔をしてお笑いの道に突き進む。

ご本人の脚本だから仕方がないが、
ちょっとクールすぎたし、ほんわかとさせてくれすぎた。
贅沢な不満ではあるが。
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