デッド・ドント・ダイ (2019)

文字数 689文字

【同窓会シネマは楽しいですね】 2020/6/10



ジム・ジャームッシュのゾンビシネマ…おそらくまともに向き合うとこっちが損をするだろうと覚悟していた。ジムが「ゾンビ」に見立てているのが、お金に身を売ってしまった現代人すべて・・・、これがテーマである
そこはそれなりに上等なメタファーに違いないのだが、ジム自身ががそのことをあまり信じていない、若干の照れすら見え隠れする。

シネマ冒頭から、楽屋落ちなのかい?と訝るようなセリフが飛び出す。
「デッド・ドント・ダイ」の曲が流れると警察署長(ビル・マーレイ)がこれは何だと尋ねる、
部下の警官(アダム・ドライバー)がこれはテーマソング(?)だと答える。
いきなりの楽屋落ちだった。
ビルもアダムもジムとの仕事仲間だけど(ブロ-クン・フラワー、パターソン)、この手の楽屋落ちトークがそのあとも続く。
シネマのジャンルとして本作をゾンビ・コメディと称しているが、僕にはカジュアルな仲間内セッションのように思えてくる。

そのゾンビたちは、前述のとおり現代文明に侵された消費者として登場する。
コーヒー、ワイン、ゲームを追い求めるゾンビたちは何とも可笑しくもあり哀れでもあった。
コミカルな一方では、ゾンビシネマお約束の殺戮シーンが目一杯、
親しかった元町民たちの首をはねる警官たち。

ところで、今作でのゾンビ出現のきっかけは地球回転軸の異常なのだそうだ。
その危機に関係しているのか不明なのだが、日本刀達人の怪しい女(ティルダ・スウィントン)の正体が・・・これまた滅茶苦茶。

2か月半ぶりのシネマ鑑賞だったから耐えられた2時間だったかもしれない、おかしなシネマだった。
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