来る (2018)

文字数 524文字

【格調高いホラー 世界に羽ばたけ】  2018/12/18



美しい映像と血なまぐさいカットが相前後する展開のなかで、
現代日本の暗渠がさらけ出されていく。
これを呪いということは僕にはできない、
昔風にいえば「罰が当たった」とでもいうのかもしれない。
だから本作をホラーと言い切っていいのかな?
格調高いホラーと定義すると、
ホラーファンにも美映像ファンにも逃げられてしまいそうでちょっと心配だ。

そういえば、予告編でお祓い巫女(松たか子さん)がささやきかけてきたことを思い出した・・・
「コワイでしょう・・・・」
そのあと文字コピーが 「怖いけど、面白いから見てください}と続く。
一瞬、本シネマはコメディなのか?とひとり悦に入ったものだ。

確かに怖いけど、とても面白かった。
まず残酷なキャスティングそのものがカタルシスになる・・・
へぇー スターも形無しだなって。
怖いのに映像が細部にこだわっていて、何より美しい、溢れ出す血糊さえも。
ホラーのコンセプトが痛快だ、嘘ばかりの中身のない人生に生きる老若男女たち。

ふと、テレンス・マリックの世界に通じるものを感じてしまった。
このホラーシネマの世界の評価を聞いてみたい。
今の日本を表現しているワールドレベルの品質に間違いない。

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