オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014)

文字数 620文字

【「トム・クルーズ」を愉しむ】 2014/6/28



トム・クルーズシネマでした、またしても。
昨年の「オブリビオン」に続いての世界救済のヒーローでした、またしても。
またしても、SFシネマの帝王、トム・クルーズでした。

近年とみに先鋭化してしまったSFXに負けることなく
スクリーン一杯に笑顔をぶちまけることができるのはもうこの男しかいません。
今シネマでは、ダメ男からヒーローに変身していく姿を観ることができます。
ヒーロー形成の代表的なパターンなのだけど、
彼が演じると生まれたてのヒヨコのようにフレッシュでした。

SFの中でも「タイム」ジャンルは観ていると混乱することが多いものです。
今ストーリーはシンプルに仕上がっています、
何度タイムを往復してもそのあいだの記憶が蓄積されるという仕掛けです。
だからこそ、主人公のヒーロ―も偽りのヒーローといえるのかもしれません。
「人生何度でもやり直せる」とはまさにこの主人公のことですね。

このイージーな設定に不満を感じさせないのが、トムのパワーなのでしょう。
顔つき、目の力、動作、リーダーシーップがトム自身の魅力と融合してきます。
これぞハリウッドスターなのでしょう。

「人生何度でも(文字どおり)やり直せる」原則が、それでも鼻についてきたころに、
究極の決定が待ち受けています。
いやはや、至れり尽くせりの、トムの見せ場でした。

トム・クルーズを楽しむシネマです、間違いなく。

老婆心:キルド(Killed)でしょう、たぶん。

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