ボルベール <帰郷> (2006)

文字数 642文字

【強い女性が好きです】 2008/1/24



そういえば、
「人生いろいろ、会社もいろいろ・・」との迷言(妄言?)で世間を煙に巻いた変人さんは、
今どうしていらっしゃるのでしょうかね?
このシネマが「人生いろいろ、女性もいろいろ・・」の印象だったもので、
ついつい、余計なことを思い出してしまいました。

おそらくはスペインでは普通の生活者を描いたこの作品、
しかし、そこに観るバラエティ富む女性たちはみな一筋縄ではいきそうもない。

たとえば、
無残な事故死、
家庭内セクハラのトラウマ、
原因不明の失踪、
お決まりとはいえ老人性認知症、
生きるための犯罪、

これら全てが女性たちのエピーソードばかり、まさに満艦飾。
満艦飾といえば、
スクリーンの女性たちはパーンと弾けるような原色を身にまとい、
背景から際立って、僕に向かって飛び出してくるようだった。

女性の物語なんだね。
でも、僕はこんな強い女性たちが好きだ。
日本では、桐野夏生ワールドに惹かれ、悩ましく想う僕が、
この《ボルベール》を拒否する筈も無い。
妄想ではあるが、
昨年観た桐野原作「魂燃え」で、
ヒロインが再生のきっかけになるシネマが《ひまわり》だった。
もし時が過ぎて《魂燃え》リメイクの際には、
この《ボルベール》が《ひまわり》に取って替わってるかも?

かように、本シネマの女性たちはヒロインばかり、
それもハードボイルドレイディたちばかりだ。

女性たちの帰郷:
子宮へ、卵子へ、DNAへ、ミトコンドリアへ・・・・・。
男性の僕にははかり知れない世界へ帰郷するのだろう、
きっと。



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