ロング,ロングバケーション (2017)

文字数 621文字

【R70-? R70+?】 2018/1/31



シネマレイティングだとR70-、つまりは高齢者70歳以上は観てはいけない
・・・・規制してもいいぐらいかも。
物語があまりにも身近過ぎて、主人公二人の生き方に賛同してしまうからだ、
幸いに僕はかろうじてマイナス70歳だけど、まだ想像力が残っているので
近い将来の自分を見つめ考え込んでしまった。

認知症の夫を連れてキャンピングカーLEISURE SEEKERで
フロリダキーウエストに向かう末期がんのその連れ合い。
男はドナルド・サザーランド(実年齢83歳)、
女をヘレン・ミレリ(同じく73歳)の名優が演じている。
つまるところお二人ともにその年齢にふさわしい役柄であり、
彼ら自身の思いまでがスクリーンを越えて伝わってくる。
「人は老いる、病になる、呆ける」

本シネマは典型的なロードムーヴィーである、何せキャンピングカーで移動するのだから。
目的地までのキャンプ場で巻き起こす、病とボケと老らくの騒動がいちいち悲しい。
長い年月築き上げた支え合う姿、愛し合う姿が無惨に崩れ去るなか、
時たまの正常なひとときが愛おしくもあり余計に切ない。

でも、
こんなシネマを70歳以下の若者に見せてはいけない。
余計な憐れみを投げかけられるのは高齢者には心外だろう。
誰だって老いの暗渠、混乱を忖度されるのも迷惑だ。

あれ~、いつの間にかR70+ になってしまった。
ということは、
すべての年代のシネマファンに見てもらった方がいいということだな。

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