永遠のジャンゴ (2017)

文字数 567文字

【スウィングするには意味があった】 2017/11/27



恐縮ではあるが
小説「スウィングしなけりゃ意味がない(佐藤亜紀)」のタイトルを思い浮かんでしまった。
ドイツ、ナチス政権下のドイツで夜ごとジャズに熱狂する若者を描いた異色の小説だ。

本シネマは、1943年ナチス占領下のパリにおいて
ジャズ演奏でドイツ軍を魅了した「ジャンゴ」のお話し。
そして、これは実話だそうだ。
ジャンゴはヨーロッパを放浪するジプシー、
左指が3本しか効かないにもかかわらず早弾きでその名を馳せる。
そこにひたひたと忍び寄るナチスの優生主義、
ジプシーは劣等種族として抹殺される状況下で、ジャンゴが選んだ道は?

またまた、いまさらながらの「ナチス亡霊」シネマではあった。
ただ、本シネマは「ユダヤ人」虐殺のワンパターンからは少し距離をおいた
普遍的な差別の領域に入り込む。

自由に生き、歌を歌い、恋をし、法律に縛られず、仲間の結束を第一義とする。
そんなジプシー連中は全体主義にとって厄介なものでしかないだろう。

今、この手のシネマが製作されることの意味を考えてみよう。
人類は同じ過ちを繰り返している、
そんなことにどこかで気づいて、引き返す勇気を持たなければ。
そんな想いを受け止めた。

ジャズ演奏でナチスに抵抗していたジャンゴ、
彼が残したものはそれだけではなかった。
その結末は、ぜひ劇場で。

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