暗いところで待ち合わせ (2006)

文字数 306文字

【麗奈、可憐】 2007/6/11



乙一の記号の世界に、色彩がついて像が結ばれる、
そこに可憐な麗奈がたたずんでいた。
皮肉なのは、麗奈演じる少女の世界は、暗い灰色が果てしなく続いていること。
事件の起きる小さな停車場、
少女がひとり住む住宅、
その窓から見えるプラットホーム、
・・・・シネマでしか再現できない空間。

暗闇のなか、気配に恋する孤独な少女。
自分しか信じられない青年に芽生える「人を守るこころ」。
ふたりの幸薄い人生にともる、人間への希望。
そう、人生そんなに悪いもんじゃない、捨てたものではない。

久方ぶりに、ふたり分の料理が食卓に用意される。
「ありがとう」の言葉が響きそうな食事、
泣けてきた。

可憐な麗奈が歩み始めた。
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