2012 (2009)

文字数 637文字

【不思議や不可解や不謹慎や不合理を超える】 2009/11/22



地球崩壊終末SFシネマの金字塔を立てたエメリッヒ監督、
これで当ジャンルは最後にするとの潔いコメントも手伝って、
観ていた僕は1カットも見逃すことの無いよう気合を入れていたが、
期待にたがわない仕上がりに他人事ながら感慨深い想いだった。

ジョン・キューザックの思いがけないダイ・ハードぶりに複雑なる違和感があったり、
ダイ・ハード特権に加えて「ご都合パターン」がテンコ盛りで、
最後にはゲップがでそうになったり、
怒涛のように連続するディザスターパータンも
さすがに新鮮さに欠ける使い古しが目立ったり、
とうとう、最後の最後まで取って置いた「方舟」まで作ってしまったり、
結局は(当然のことなのかも)年号までリセットしてしまったり、

そんな、不思議や不可解や不謹慎や不合理がぞろぞろと行進していても、
僕は、やっぱりこの「終末SF」が好きだ。
例え、「SFXだけは良かったね」と批判されようと、
そこにはエメリッヒの心「地球の心」がしっかりと脈打っていたから。
互いに助け合うことが人類の証明である・・まさに大上段からの正論である。


老婆心:
方舟の権利がずばり「キャッシュ」というところが
SF本来の格調を思い切り下げているが、
これも毎度のこと、強烈な皮肉と理解した・・・
実際に宇宙旅行すら金次第というではないか。
しかし、
役に立たない金持ちや政治家は新世紀では生き残れるはずもない。
財力も権力も方舟の中では効力を持たない・・・
これも地球の心だ。

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