シークレット・アイズ (2015)

文字数 687文字

【テロとの戦いの陰に】 2016/6/10



シークレット・アイズだと秘密捜査官になってしまう。
オリジナル版の「瞳の奥の秘密」でよかったのにね。

でも残念なことに、出演者の瞳の奥に秘密は見えてこなかった。
ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツの二枚看板女優は平坦な演技に終始していたし、キウェテル・イジョフォーもアクションに苦戦していた。

面白かったのは、異色のプロットだ。
13年前、対テロ捜査チームの一員の娘が惨殺されるが、犯人はテロ捜査優先のため釈放される。
物語の始まりから、かなり個人的犯罪捜査の様相が見て取れる。
釈放後行方不明になった犯人を探しだす元FBI捜査官(イジョフォー)。
民間人の彼が採った捜査方法がコツコツと毎晩全州の刑務所服役者の顔写真をネットでチェックするというもの。
13年間毎晩写真を見続けついに発見する経緯は、「ロクヨン」に通じる、ミステリーの胆としてはユニークだ。

さて、この発見は昔の検事局捜査チームに再び持ち込まれる。
今や検事になった昔の恋人(ニコール)、娘を亡くした捜査主任(ジュリア)達に再捜査を依頼するくだりは、曲者のプロットの予感、只者で終わらない期待が溢れてくる。
ただし、13年前の回想シーンと現在が頻繁に断りなく交錯するのに、メイン三人の俳優のビフォー・アフターが明確でない。
お三人とも若返りメークが困難なので小道具で区別してくれたのは、有難くもあり情けなくもあり、少なからずシネマの醍醐味を削り取っていた。

犯人を捕らえて罪を償わせることができるのか?
昔の愛は取り戻せるのか?
復讐の味はどんなものだったのか?

異色の結末も素直に納得できた。
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