ブレット・トレイン(2022)

文字数 670文字

【ヘン・オカシ・オモロ】 2022/9/1


伊坂幸太郎の「マリアビートル」がブラッド・ピット主演で作られると聞いた時、かなり戸惑いを感じたことを覚えている。
表現の仕方は不適切かもしれないが、伊坂作品はマニックで独善的、到底そのエッセンスを残して映像化できるわけもないし、何せ東北新幹線を貸切るくらいの東北愛作品が東海道ブレット・トレインに置き換わるなんて冒涜だぐらいに心配していた。
しかし、予告編、プロモーションに接するにしたがって、アァこれは原作離れの著しいシネマ化になるのだろうと、少しだけ残念な気持ちと、やはりブラピと真田さんだけは観ておく価値ありと判断した。

久しぶりに長い前置きになったが、本作は伊坂さんのプロットを外すことなく、それでいて無国籍ハリウッド版日本シネマに成り代わっていた。
マリアビートルがレディバグに変わったのを手始めに、集まり集う殺し屋たちみ~んな味濃い、癖が強い。
ファッションが70年代、カルメンマキの歌が流れる、真田さんのバックストーリーは昭和任侠物語、もちろん東海道新幹線車両は超和風だった。
舞台が外国から見たコテコテジャパン、しかしキャストは曲者外国人、ヘンテコでヘンケンでヘンジンのシネマだった、ここが面白い。
伊坂原作をちゃんと踏襲していると前述したが、ラストシークエンスは全くのオリジナルで強烈なインパクトがある(見てのお楽しみ内緒)。
檸檬と蜜柑コンビのダジャレエンディングに心からハリウッドの才能(ユーモア)に感動した。
結局、伊坂原作とは遠くかけ離れたものになっていたが、十二分に楽しませていただいた。
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