ダイ・ハード/ラスト・デイ (2012) 

文字数 768文字

【マクレーン父息子に勲章を!】 2013/2/17



珍しく真面目に自問してしまう、ちょっとだけだけど。
シネマ「ダイハード」のコンセプトとは何か?・・と
世に巣食う悪人(金のために悪事をする者)に
「なぜか」遭遇してボロボロになりながらも最後には悪人を倒す・・・かな?
この「なぜか」を別の言葉にしたら「世界一運の悪い男」となるのだろう。

しかし、シリーズ5作目にもなると、
肝心の「なぜか」は形骸化してしまう・・・世の万物は無常なり。

今回マクレーンは息子を救うため、なんと自らの意思で悪の巣窟モスクワに乗り込む、
もうここからコンセプトを外れている。
「なぜか」が最初から吹っ飛んでしまっている。
(予告編でネタバレしすぎているので遠慮しないが)
息子も実はCIA現場工作員
(オヤジに言わせればニュージャージー出身の007?)だという。

なんと、今回のダイハードは崇高にも「お国のため」の大暴れになっている。
オヤジのおかげで息子スパイのミッションは失敗してしまうが、
ここから本来のダイハード魂が甦ってくる。
毎回楽しみなカーチェイス、近年こだわりの空中アクション、
相変わらずのガラス作戦、あっと驚く裏切りなどなど・・・。

執拗で恐縮だが、今シネマが今までと大きく異なるのが、
家族巻き込まれ型私的アクションから
政府公認公的アクション(二人の勝手な行動にしか過ぎないが)に
昇格しているポイントである。

それはそれで、ハリウッド的ハッピーエンディングである、
ただし「ダイハード」ではない。

誇らしげにCIA専用ジェットで帰国した父息子には、きっと勲章が良く似合うことだろう。

老婆心:
前日、
CIA女性分析官の執念をシリアスに描いたシネマを観たところへ
このダイハードCIA編だ。
どちらもフィクション、どちらも高品質アクション、
ハリウッドの懐の大きさをまざまざと見せつけられた。

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