クーデター (2015)

文字数 717文字

【正直スギラー】 2015/9/7



スリラー専門の監督らしく冒頭からの連続ひねり・回転技のついた恐怖に手を握り締めっぱなしでした。
番宣で開示されているように、アジア某国で国王の暗殺クーデターが勃発し外国人が無条件に全員殺戮されるという設定の恐怖です
そこにいたアメリカ人家族、夫婦娘2名の恐怖を共有する仕掛けになっています。

外国人専用の高級ホテルがクーデター暴徒に襲われるところから始まり、恐怖のひねり・回転のネタには新機軸が勢揃いしています、休憩なしの怖さに疲れます。
残念ながら、お約束のアメリカ騎兵隊は現れません、本当に自力で逃げるしかないのです。
オリジナルタイトルの NO ESCAPE の真意がガンガン迫ってきます。

でも、やはり援軍は必要です。
逃げ道なしの土壇場に登場するホワイトナイトはピアース・ブロスナン演じる英国諜報員。
なんと、本作では女王陛下のビジネス諜報作戦を担っています。
彼が主人公一家に正直に話します。
「この国に善意で投資したふりをして。将来国家ごと買い取る、どうせ彼らは支払えない」
「今、それがばれて彼らは怒っている、俺のせいで迷惑かけたから君たちは俺が逃がしてやる」
なんと正直なスパイなのでしょうか?

ところで「この国」とはどう見てもタイでしょう、そう、ついこの間 爆弾テロのあったタイのことでしょう。
クレジットによれば撮影地も、製作スタッフもタイです。
なんと正直な国、タイランドなのでしょうか?

欧米政府が企業の傭兵となって水面下で実施しているグローバルな掠奪構図を本シネマは認め、
一方では、タイランドは生命の安全さえ保障できないリスクの高い国家であることを世界に宣言しています。

なんと正直なスリラーなのでしょう。
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