アメリカン・ハッスル (2013)

文字数 691文字

【団塊世代御用達?】 2014/2/2



団塊世代御用達、アメリカンポップスシネマ第二弾。
「ザ・ファイター」に引き続くこの路線もデヴィッド・ラッセル監督の拘りに、
一段と磨きがかかった様子が好ましい。
クリスチャン・ベイルも変身に一層想いがこもっていたようで、
冒頭のヘアーメイクシーンには笑いを忘れて一瞬茫然としてしまったほどだ。
エイミー・アダムス、ジェレミー・レナーの「ラッセル組」も同様に
70年代変身を楽しんでいたとしか思えないテンションだった。
さぞかし、製作現場は楽しかったに違いない。
「俺も入れてくれよっ」といったかどうかは知らないが
デ・ニーロも臭い役柄を目いっぱい楽演していた(ように思えた)。

懐かしのアメリカンポップスは
今作もビージーズの「How can you mend a broken heart」はじめ
ドナ・サマー、エルトン・ジョン、トム・ジョーンズ達のヒット作が惜しげなく、
最適シーンに使われる。
シートの中で僕は一緒に小さな声で口ずさんでいた。

だからと言って、本編のシネマクゥオリティはいささかも壊されてはいない。
「オオサギ」に賭ける二人の愛情、
連邦役人のカリカチュアとその正反対に位置する地方首長の懸命さ、
マフィアの恐怖など70年代の閉塞感と飛躍願望が真面目に描かれている。
知能を武器とした男女の戦いに割り込んでくるジェニファー・ローレンスの実存が
本シネマをきりりと引き締めていて、
いわゆる「スティング系統」とは明確にジャンルをたがえていた。

70年代のポップカルチャーを模範として踏ん張ってきた団塊世代にはぜひ観てもらいたい、
そして現在を顧みる機会にしてほしい。

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