探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 (2013)

文字数 948文字

【パート3 も期待しています】 2013/5/11



パート2、何よりススキノ探偵カムバックおめでとう様でした。
原作者の東さんがうれしそうにカメオ出演していましたね。

でも、東さん、そんなことしてる場合じゃないでしょう?
あの格調高いススキノ便利屋探偵のコンセプトが崩れていましたよ!
いいえ、原作と映像化の狭間という問題を超えた根源的なものです。
ススキノ便利屋探偵はポップであり洒脱であり小骨反骨である故に
「カタルシスは控えめ」だったはずです。
確かに前作はシリーズの中では飛び切りの重厚カタルシスだったのは事実ですが、
パート2も予想外に大いにカタルシスさせてくれました。
奥歯に物が挟まったような言い方ですいません、
ポイントは「シネマの脚本が進化していた」ということです。
そうです、カメオ出演の場合じゃないでしょう?(まぁ冗談ですけど)

ディープなシネマファンを自認する僕としても、
原作「探偵はひとりぼっち」ベースではそもそも映像が成り立たない、
映像化の切り札、何か秘策があるはずだとひそかに期待していました。
ところが小気味良い原作スリム化はあったものの、
ストーリー本流、ミステリーのコアも変化なし・・・ちょっと心配しだしました。
おまけに、あまり意味の無い、冗長で低品質なアクション、それも複数、
本当に冷や汗が出ました。

最後になってのオリジナル脚色は、だからこそのカタルシスでした、スーパーでした。
もっとも、バイオリン演奏家というオリジナルキャストは名実ともに怪しいもの、
実際の謎解明もそれほど難解でもなかったと思います。
しかし、主人公のあの決断は感動的でした。
一気に札幌が大阪に勝った瞬間でした。

そう、今回も映像の隅々に札幌(北海道)への愛情がこめられていました、
それだけでも十分に満足です。
地域特定の探偵ストーリーに栄光あれ。

老婆心(次回作に向けて):
すでに触れましたが、無理やりのアクションシーンは不要です、
この探偵コンビはもっともっと強くてもいいと思います。
札幌を背景にしたシネマ史に残るような「壮絶なアクション」こそ
映像でしか表現できないもの、大いに期待しています。
ただし、あまりにコメディラインを歩まないようにお気をつけください、
本シリーズは日本では稀なハードボイルド探偵ストーリーなのですから。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み